雇用

2026年の賃金改定、1人平均1万3,926円・4.4% 賃上げ企業は予定を含め92.0%

厚生労働省の調査で、1人平均賃金の改定額は前年を上回り、改定率は前年と同じ4.4%でした。企業規模や業種による差も大きく、お客様の人件費の状況を知る手がかりになります。

何が発表されたか

厚生労働省が10月21日、2026年の「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。常用労働者100人以上を雇う民間企業(会社組織)を対象に、7月から8月にかけて調査したもので、3,668社のうち1,862社から有効回答を得ています。

主な数字

項目 2026年 前年
1人平均賃金を「引き上げた・引き上げる」企業 92.0% 91.5%
1人平均賃金の改定額(予定を含む) 13,926円 13,601円
1人平均賃金の改定率(予定を含む) 4.4% 4.4%
定期昇給を「行った・行う」企業 81.2% 76.8%
ベースアップを「行った・行う」企業(定期昇給制度がある企業) 57.9% 57.8%

「1人平均賃金」は、残業代などを除いた毎月の所定内賃金の、1人当たりの平均額です。改定額・改定率は、賃金の改定を実施しない企業や、引き下げた企業も含めた数字で、引き上げた企業だけでみると14,257円・4.5%でした。定期昇給の割合は、賃金の改定を実施・予定している企業と、実施しない企業を合わせた中での割合です。

企業規模や業種によって差があります。

区分 改定額 改定率
5,000人以上の企業 16,680円 4.8%
100〜299人の企業 11,279円 3.9%
建設業 20,599円 5.5%
運輸業、郵便業 8,815円 3.0%
医療、福祉 8,540円 3.3%

賃金を決めるときに最も重視した要素は、「企業の業績」が46.0%(前年41.7%)で最も多く、「労働力の確保・定着」が12.1%(同17.0%)、「雇用の維持」が9.2%(同11.9%)と続きました。また、2026年8月1日時点の企業活動について、原材料費・経費が「増加」と答えた企業は82.9%でした。

営業職にとってのポイント

  • 人件費は多くのお客様の関心事:調査対象の企業では、賃上げを実施した、または予定している企業が92.0%でした。価格や取引条件の相談が来たときは、相手の事情として理解しておきましょう
  • 規模や業種で状況が違う:大企業と中小企業、業種によって改定の幅に差があります。担当するお客様の規模や業種の数字を確認しておくと、話がかみ合いやすくなります
  • 状況を確かめてから提案する:人件費や経費に負担を感じているお客様には、状況を確認したうえで、省力化や業務の見直しを提案する余地があります

この調査を読むときの注意点

この調査の対象は、常用労働者100人以上の企業です。100人未満の小さな会社は含まれていないため、小規模なお客様の状況とは違う可能性があります。

また、改定額・改定率には、9〜12月に予定している分も含まれています。数字は、各企業の値を常用労働者数で重み付けした平均です。すべての人の給与が、一律にこの額・率だけ上がったことを示すものではありません。

商談で使える一言

人件費の話は、お客様にとって負担の大きい話題です。まず相手の状況を聞くところから始めましょう。

「従業員100人以上の企業では、予定も含めて9割を超える会社が賃上げをするという調査が出ていましたが、御社ではコストの面で影響は出ていますか?」

困りごとが出てきたら、「人が足りない」「経費が増えた」など、どこに一番負担がかかっているかを具体的に聞いてから、提案を考えましょう。

次に注目したいこと

  • 来年の賃上げの動き:2027年の春季労使交渉(春闘)に向けた、労使の方針の発表にも注目しましょう
  • 価格の見直しの動き:人件費の上昇を受けて、お客様が仕入れ先との価格交渉を進めることがあります。自社の価格や取引条件についての社内の方針を、早めに確認しておきましょう

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