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売れる営業と伸び悩む営業は、どこで差がつくのか。トップ営業に共通する10の習慣

同じ商品を売っているのに、成果に大きな差がつくのはなぜか。海外の営業研修家ブライアン・トレーシーやジェフリー・ギトマーの考え方をもとに、トップ営業に共通する習慣を10個に整理し、明日から試せる形にまとめました。

売れる営業と伸び悩む営業は、どこで差がつくのか。トップ営業に共通する10の習慣

同じ会社で、同じ商品を、同じような相手に売っている。それなのに、毎月のように目標を達成する人と、なかなか届かない人がいます。

才能や性格の違いだと思われがちですが、海外の営業研修家たちは、毎日の習慣や考え方を重視しています。

この記事は、営業になって数年で伸び悩みを感じている方、トップ営業が何をしているのかを知りたい方に向けて書いています。講演家ブライアン・トレーシーが紹介している「高収入の営業がしていること」を中心に、ジェフリー・ギトマーやビクター・アントニオの考え方もあわせて、トップ営業に共通する習慣を10個に整理しました。

「上位に入る」と決めることから始まる

トレーシーは、若い頃に先輩の営業から「報酬の大部分は、一部の上位の営業が得ている」と聞かされ、自分も上位に入ると決めたことが転機になったと話しています。

トレーシーの言葉で印象的なのは、「上位に入ると決めなければ、自然と平均の側に入ってしまう」という考え方です。卓越すると決めないことは、平凡でいいと決めることと同じだ、というのです。

これは精神論のように聞こえますが、実務的な意味があります。「上位に入る」と決めた人は、上位の人が何をしているかを調べ、真似をし始めます。目標がなければ、比べる相手も、直す理由も生まれません。

トップ営業に共通する10の習慣

トレーシーが挙げる習慣を中心に、日本の営業の現場で使いやすい形に整理しました。

1. 仕事を好きになり、専門家を目指す

トップ営業は、自分の商品と業界に詳しくなるために時間を使っています。トレーシーは、上位の人もみんな下位から始めていると強調します。

アントニオも、営業がうまくなる土台として「商品を理解している」「誰に売るかを分かっている」「営業の手順を持っている」の3つを挙げています。勘で売っていると、売れても理由が分からず、再現できません。

2. 欲しいものをはっきりさせ、紙に書く

「今期の目標を達成したい」ではなく、「3月までに新規の取引先を5社増やす」のように、具体的な目標を紙に書きます。書くことで、毎日の行動を目標と照らし合わせられるようになります。

3. 粘り強く続ける

断られても、結果が出なくても、目標に向かって行動を続けます。トップ営業ほど、断られた数も多いものです。新規開拓の続け方は「新規開拓は「やる気」ではなく「時間割」で続ける」で詳しく紹介しています。

4. 学び続ける

トレーシーは、いちばん価値のある資産は自分の頭だと言います。本を読む、研修に参加する、うまくいった商談を振り返る。学ぶほど、成果は上がっていきます。

アントニオは、「会社が研修をしてくれない」「資料がない」は言い訳になると指摘しています。自分を小さな会社の経営者のように考え、学ぶ責任は自分にあると考えることを勧めています。

5. 時間を上手に使う

営業が売っているのは、自分の時間です。トレーシーが勧めるのは、前日のうちに、翌日のやることリストをつくること。まず、すでに約束している予定から書き入れ、空いた時間に何をするかを決めておきます。終業前の5分を、この時間にあてるとよいでしょう。

朝に「今日は何をしよう」と考える時間がなくなるだけで、1日の動き出しが変わります。時間の使い方は「営業職の時間管理」も参考にしてください。

6. いちばん成果を出している人を真似る

伸び悩んでいるときほど、身近なトップ営業の習慣を観察してみましょう。どんな準備をしているか、どんな質問をしているか、1日をどう使っているか。

トレーシーは、トップの人に直接アドバイスを求めることも勧めています。多くの人は、頼られると喜んで教えてくれるものです。

7. 誠実さを守る

トレーシーは、信頼こそが、営業と会社の差をつくるいちばんの要素だと言います。できないことを「できます」と言わない、約束した期日を守る、都合の悪い情報も先に伝える。小さな誠実さの積み重ねが、紹介や継続の取引につながります。

8. 工夫を続ける

うまくいかない方法を、同じように繰り返さないことです。トレーシーは、誰にでもまだ使っていない創造力があると言います。提案の見せ方、連絡のタイミング、質問の順番。小さな工夫を試し、結果を見て直していきます。

9. 自分がお客様ならどう扱われたいかを考える

トレーシーは、自分がお客様だったらどう扱われたいかを考え、そのとおりに接することを勧めています。率直に話す、相手の困りごとを辛抱強く聞く、解決策がどう役立つかを順を追って説明する。当たり前のことですが、忙しいときほど忘れがちです。

10. 成功の代償を先に払う

少し早く始め、少し多く働き、平凡な人が避ける小さなことを引き受ける。トレーシーはこれを「成功の代償を先払いする」と表現しています。

トレーシーの話には、働く時間を増やす勧めも含まれています。ただ、この記事では、決められた勤務時間の中でできる工夫として取り入れることをおすすめします。大切なのは、ほかの人がやらない小さな一手間を続けることです。商談のお礼をその日のうちに送る、「今回は見送り」となったお客様から再連絡の了承をもらえたら、約束した時期にきちんと連絡する、といったことです。

10の習慣を、明日からの行動に変える

10個すべてを一度に始める必要はありません。次の表から、まず1つか2つ選んでみてください。

習慣 明日からできること
専門家を目指す 自社の商品について、お客様からよく聞かれる質問を5つ書き出し、答えを確かめる
目標を書く 今期の目標を、数字と期限を入れて1行で書き、手帳の最初のページに貼る
学び続ける うまくいった商談を、その日のうちに1行メモする(本や研修動画は、無理のない範囲で)
時間を使う 終業前の5分で、翌日のやることリストをつくる
トップを真似る 社内の成績上位の人に、商談の準備のしかたを1つ聞く
誠実さを守る 返事を約束した件は期日までに答え、間に合わないときは早めに状況と次の予定を伝える
先払いする 商談のお礼を、その日のうちに送る

「あなた」と「なぜ」を大切にする

研修家のジェフリー・ギトマーは、営業で最も大切な2つの言葉は「あなた」と「なぜ」だと話しています。

「あなた」とは、営業その人のことです。ギトマーは、お客様が最初に「買う」のは商品ではなく、営業その人だと言います。同じ商品でも、誰から買うかで、お客様の安心感は大きく変わります。

「なぜ」には、3つの意味があります。

  1. なぜ自分はこの仕事をしているのか:お金だけでなく、人の役に立つ、困りごとを解決するといった目的を持っているか
  2. なぜこのお客様なのか:相手にとって何が得になるのか、なぜ自分から買うべきなのかを説明できるか
  3. なぜ質問するのか:質問を通じて、お客様と本当に向き合えているか

この3つの「なぜ」に、自分の言葉で答えられるか、一度書き出してみましょう。

「売り込む」のではなく「伝える」

伸び悩む営業の中には、営業という仕事そのものに苦手意識を持っている人もいます。「押し売りのようで気が引ける」と感じていると、商談で迷いが生まれ、それが相手に伝わってしまいます。

ビクター・アントニオは、営業を「役に立つ情報を伝えること」と考えるよう勧めています。友人がおいしいレストランを興奮して勧めてくれるとき、友人はお店を「売り込んで」いるわけではありません。良いものを伝えているだけです。

自分の商品がお客様の役に立つと信じられるなら、営業は相手のための情報提供です。押しつけるのではなく、そっと背中を押す。そう考えると、商談での話し方も自然に変わります。

アントニオはまた、カタログに書いてあることを繰り返すだけの「見せる」営業と、お客様が気づいていなかったことを伝える「売る」営業は違うとも話しています。「この人は分かっている」と思ってもらえる一言を用意できるかどうかが、差になります。

具体例:伸び悩んでいた3年目の営業が変えたこと

ここからは、考え方を分かりやすくするための架空の例です。

法人向けの複合機を販売する3年目の営業は、目標の8割前後で止まる月が続いていました。上司に相談したところ、「同じ部署のトップの先輩の1日を観察してみたら」と勧められました。

先輩の1日を見て気づいたのは、次の3つでした。

  • 終業前に、翌日の訪問先と、それぞれで聞くことをメモしていた
  • 商談のあと、その日のうちにお礼と、話に出た資料を送っていた
  • 「最近、印刷のことで困っていることはありますか?」と聞く前に、相手の業界のニュースを一つ調べていた

この営業は、まず「終業前の5分で翌日のリストをつくる」と「お礼をその日のうちに送る」の2つだけを真似しました。1か月後、朝の準備に迷う時間が減り、お客様から「対応が早いね」と言われることが増えました。成果がすぐに大きく変わったわけではありませんが、商談の数と、次の約束につながる割合が少しずつ上がっていきました。

よくある質問

トップ営業の真似をしても、性格が違うのでうまくいきません。

話し方や雰囲気まで真似る必要はありません。真似したいのは、準備のしかたや時間の使い方など、行動の部分です。行動は、性格に関係なく取り入れられます。

目標を紙に書いても、続きません。

目標が大きすぎるのかもしれません。「今期の目標」だけでなく、「今週の訪問数」「今日の電話の数」のように、毎日の行動に落とした小さな目標も一緒に書いてみましょう。達成したら印をつけるだけでも、続けやすくなります。

学ぶ時間がとれません。

まとまった時間をとろうとすると続きません。まずは、うまくいった商談を、その日のうちに1行メモすることから始めましょう。これだけでも立派な学びになります。本や研修動画は、会社の研修制度も確かめながら、無理のない範囲で取り入れてください。

まとめ

研修家たちが重視しているのは、才能よりも、毎日の小さな習慣です。

  1. まず「上位に入る」と決める。決めなければ、比べる相手も直す理由も生まれない
  2. 専門家を目指し、目標を書き、学び続ける
  3. 前日のうちに翌日のリストをつくり、時間を上手に使う
  4. トップの人を真似し、誠実さを守り、ほかの人がやらない一手間を続ける
  5. お客様が最初に買うのは「あなた」。売り込むのではなく、役に立つ情報を伝える

まずは今日の終業前に、明日のやることリストをつくるところから始めてみてください。

参考にした動画・資料

動画の内容をもとに、編集部が日本の営業向けに要点をまとめ直したものです。発言の全文訳ではありません。

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