名刺・顧客リストを「もっと活用したい」71%、関心度を見て営業に渡せているのは12%
BtoB企業のマーケティング・営業担当者への調査で、ためた顧客リストの活用が一斉配信や担当者任せにとどまりがちな実態が見えてきました。過去に接点のあったお客様の掘り起こしは、営業にとっても身近なテーマです。

何が発表されたか
マーケティング支援ツールを提供する株式会社シャノンが、「BtoBマーケティングツール利用実態調査2026」の結果の一部を公表しました。BtoB企業のマーケティング・営業部門の310人(292社)が回答しています(調査は2026年6月〜9月、インターネット調査)。
テーマは「ハウスリスト」の活用です。ハウスリストとは、展示会やセミナー、問い合わせなどで集めた名刺や、これまでのお客様の情報をまとめた、自社の顧客リストのことです。
主な数字
| 項目 | 割合 |
|---|---|
| ハウスリストを「今より活用したい」 | 71% |
| ハウスリストへのアプローチ「全員に同じメルマガや案内を一斉配信」 | 39% |
| 同「担当者が個別にメールや電話」 | 36% |
| 同「関心度(スコア)で選び営業に渡す」 | 12% |
| 「過去に獲得したハウスリストに特にアプローチできていない」 | 23% |
マーケティングオートメーション(MA)ツールを使っている人に、商談化や売上への貢献をどの程度実感しているかを聞いたところ、「十分に実感している」は24%でした。最も多かったのは「測れていない・わからない」(39%)です。活用するうえでの一番の壁は、「運用できる人が少ない・一人に頼っている」(36%)が最多でした。
営業職にとってのポイント
- アプローチの方法として、一斉配信を挙げた回答者は39%、担当者による個別連絡は36%でした。どのお客様に、いつ連絡するかを決める仕組みづくりは、これからの課題といえそうです
- 関心度を見て営業に渡していると答えた人は12%でした。マーケティング部門から渡されたリストに連絡するときは、「なぜこのお客様なのか」(どの資料を見たか、どのセミナーに来たか)を確認してから連絡すると、話のきっかけをつくりやすくなります
- 「アプローチできていない」リストが残っているなら、それは新しい商談の材料になりえます
この調査を読むときの注意点
この調査は、マーケティングツールを提供する会社が自社で行ったもので、回答者はBtoB企業のマーケティング・営業部門の人です。設問によって回答者の数が異なり、成果の実感などはMAを使っている人(66人)だけに聞いています。
公表されたのは結果の一部です。数字は、回答者の実感や自社の状況についての回答で、すべての企業に当てはまるわけではありません。
眠っているリストを活かすための工夫
マーケティングの仕組みがなくても、営業担当者が自分でできることがあります。
| 方法 | 具体例 |
|---|---|
| 接点の理由を書き残す | 名刺を受け取った場所(展示会・セミナーなど)と、そのとき聞いた悩みを顧客管理システム(CRM)に残しておく |
| 連絡する順番を決める | 最近資料をダウンロードした、セミナーに参加したなど、動きのあったお客様から先に連絡する |
| 役に立つ情報を添える | 「ご案内」だけでなく、お客様の業界に関係する事例やニュースを一緒に届ける |
一斉配信の案内だけでは、お客様にとって「自分に関係のある連絡」に感じてもらいにくくなります。過去の接点を手がかりに、相手に合わせた一言を添えることが大切です。
なお、広告・宣伝のためのメールは、一斉配信でも個別に送る場合でも、特定電子メール法のルールに従う必要があります。原則として事前に同意を得ること、送信者の情報や配信停止の方法を表示すること、配信停止を求められたら送らないことなどが求められます。例外にあたるかどうかも含めて、社内の担当部署に確認してから進めましょう。
