テクノロジー

営業のAI活用、「作業時間の削減」を実感53%、「受注率・売上の向上」の実感は14.5%

大企業の営業管理職200人への調査で、AIの効果は作業時間の削減にとどまりがちな実態が見えてきました。現場と企画で「詰まっている場所」の見方にも差があります。

何が発表されたか

営業支援会社のブリッジインターナショナルグループが、年商500億円以上の企業で法人営業・営業企画・DX推進を担う課長クラス以上200人に、営業でのAI活用について聞いた調査結果を公表しました。対象は営業組織でAIを活用している人で、回答は本人の実感にもとづく自己申告です(調査は2026年7月、インターネット調査)。

主な数字

項目 割合
AIで「作業時間の削減」を実感 53.0%
AIで「受注率・売上の向上」を実感 14.5%
課題「現場のAIリテラシー不足」 37.5%
課題「AIを運用できる人材の不足」 37.5%
優先投資先「SFA/CRMデータの品質改善・統合」 46.5%

注目は、効率化がいちばん遅れている工程として「部門間の情報・文脈の引き継ぎ」を挙げた人が、営業企画系では23.0%だったのに対し、現場系では8.0%にとどまった点です。現場系と企画系の回答者では、課題の捉え方に違いが見られます。

営業職にとってのポイント

  • AIは「資料を早く作る」段階から、「成果につなげる」段階をどう作るかが課題になっています
  • 調査では、データ基盤の未整備や部門間の引き継ぎも課題として挙がっています。ツールの導入・整備とあわせて、データの品質や引き継ぎの方法も見直す余地があります
  • 商談相手が大企業なら、「AIを入れたけれど成果につながっていない」という悩みは、ヒアリングのきっかけになります

商談で使える一言:「AIで作業時間は減ったけれど、売上への効果はまだ…という声をよく聞きます。御社ではいかがですか?」

この調査を読むときの注意点

この調査は、すでに営業でAIを活用している大企業の管理職を対象に、本人の実感を聞いたものです。すべての企業や営業担当者に当てはまるわけではありません。「受注率・売上の向上を実感した人が14.5%」という数字も、実際の成果を測ったものではなく、回答者がそう感じているかどうかを示すものです。

数字そのものより、「作業の効率化と、成果の向上のあいだに差がある」という傾向として受け止めるのがよいでしょう。

自分の営業で見直せること

AIで作業時間が減っても、空いた時間の使い方が変わらなければ、成果にはつながりにくくなります。次のような点を見直してみましょう。

  • 空いた時間を、お客様と話す時間や提案の準備に回せているか
  • 顧客管理システム(CRM)に、商談の内容や次の予定が正しく入っているか
  • 担当が変わるときに、お客様とのやりとりの経緯が引き継がれているか

AIが参照するデータに誤りや不足があると、回答の正確さや有用性が下がるおそれがあります。日々の入力をていねいにすることが、AI活用の土台になります。

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