オンライン商談で信頼を得るための、準備・進行・終わり方
画面越しの商談は、対面よりも相手の反応が読みにくいもの。事前準備、最初の5分、説明の進め方、トラブルへの備え、終わり方まで、オンラインならではの気配りを例文つきでまとめました。

オンライン商談は、移動の時間がかからず、気軽に日程を組めるのが大きな利点です。その一方で、「相手の反応がわからないまま話し終えてしまった」「画面共有に手間取って時間が足りなくなった」という声もよく聞きます。
この記事は、オンライン商談に慣れていない方や、対面と同じやり方で進めてうまくいかなかった方に向けて書いています。準備から終わり方まで、そのまま使える手順と言い回しを紹介します。
オンライン商談は「間」が取りにくい
オンライン商談では、相手の表情や空気の変化が伝わりにくく、こちらが一方的に話し続けてしまいがちです。少しの音声の遅れで、話し出すタイミングが重なることもあります。対面と同じやり方ではなく、オンライン向けの進め方を用意しておきましょう。
前日までの準備
案内のメールを送る
商談の前日までに、日時・参加用のURL・当日の流れを送っておきます。相手の社内で、別の人が参加する場合にも役立ちます。
件名:明日のお打ち合わせのご案内(◯月◯日 14:00〜)
明日は、御社の現在の営業管理の進め方を伺ったうえで、改善の方向性を30分ほどでご説明する予定です。参加用のURLはこちらです。ご都合が変わった場合は、お気軽にお知らせください。
あわせて、相手の会社でよく使われているツールがわかっていれば、それに合わせるのも親切です。会社によっては、決められたツール以外は使えないこともあります。
環境を整える
- カメラは目線の高さに。見下ろす角度は印象がよくありません
- 顔が明るく映るように、窓や照明の位置を確認する
- 背景は無地か、シンプルな背景画像に
- 音声はイヤホンマイクを使うと、相手に聞き取りやすくなります
- パソコンの通知は切っておく。画面共有中に通知が出ると、相手に見えてしまいます
資料と画面を準備する
- 共有する資料はあらかじめ開いておく。ほかのウィンドウは閉じておく
- 資料は文字を大きく、1枚に入れる情報を少なめに。相手はノートパソコンの小さな画面で見ているかもしれません
- 共有する対象を「資料のウィンドウだけ」に絞ると、関係のない画面が映るリスクを減らせます。共有する前に、資料の中に社外秘の情報がないかも確認しましょう
当日:最初の5分
開始の数分前に入っておく
時間ちょうどに入ると、音声やカメラの不具合に気づいたときに慌てます。数分前に入り、音声とカメラを確認しておきましょう。
雑談は短く、相手が話せる話題を
オンラインでは、長い雑談はかえって気まずくなりがちです。相手が答えやすい一言で始め、早めに本題に入ります。
「本日はお時間をいただきありがとうございます。音声は聞こえていますか?」 「今日は、ご自宅からですか?それともオフィスからですか?」
今日の流れを見せる
画面共有で、今日の目的と流れを最初に見せましょう。相手が「何の時間か」を理解できると、集中してもらいやすくなります。
「今日は30分のお時間で、まず御社の今の進め方を10分ほど伺い、その後に改善の方向性を15分ほどご説明します。最後の5分で、次の進め方を相談させてください。この流れでよろしいでしょうか?」
最後に「この流れでよろしいでしょうか?」と聞くことで、相手が話したいことがあれば、ここで出てきます。
説明の進め方
5分に一度は相手に話してもらう
一方的な説明が続くと、相手の集中が切れます。区切りごとに問いかけを入れましょう。
「ここまでで、気になった点はありますか?」 「御社の場合だと、どの部分が近いですか?」
反応は言葉で確かめる
うなずきが見えにくいので、「この点は、イメージに合っていますか?」と言葉で確認します。チャット欄に書いてもらう方法も有効です。
話し出しが重なったら、相手を優先する
音声の遅れで話し出しが重なったら、「失礼しました、どうぞ」と相手に譲りましょう。相手の話を最後まで聞いてから、こちらの話に戻ります。
複数人が参加しているときは名前を呼ぶ
相手側に複数人いるときは、「◯◯さんは、この点いかがですか?」と名前を呼んで話を振ります。発言していない人が、実は決める人であることもあります。
具体例:一方的な説明を問いかけに変える
| 一方的な説明 | 問いかけを入れた説明 |
|---|---|
| 「この機能では、案件の状況を一覧で見ることができます。さらに、こちらの機能では…」 | 「この機能では、案件の状況を一覧で見ることができます。今は、案件の状況をどのように共有されていますか?」 |
| 「導入の流れは、次のとおりです。」 | 「導入の流れの前に、社内で決める際に気にされそうな点はありますか?」 |
説明の途中に一つ問いかけを入れるだけで、相手が「自分ごと」として聞いてくれるようになります。
トラブルへの備え
オンライン商談では、通信や機材のトラブルが起きることがあります。慌てないように、あらかじめ対応を決めておきましょう。
| トラブル | 対応 |
|---|---|
| 音声が聞こえない | チャット欄で知らせ、つなぎ直してもらう |
| 画面共有がうまくいかない | 資料をPDFで送り、相手の画面で開いてもらう |
| 回線が途切れた | 案内メールに書いた電話番号に切り替える |
| 相手が時間に入ってこない | 5分ほど待ってから、メールか電話で確認する |
案内メールに、こちらの電話番号を書いておくと、いざというときに連絡が取れます。
終わり方
- 終了の5分前には話をまとめる
- 次のアクション(誰が・何を・いつまでに)を画面上で一緒に確認する
- その場で次回の日程を決める
- 終わったら、当日中にお礼と要点をまとめたメールを送る
次回の日程は、画面上でお互いの予定を確認しながら決めると、その場で確定しやすくなります。
「次回は、今日伺った内容をもとに具体的なご提案をお持ちします。来週の後半で、ご都合のよい日はありますか?」
オンラインと対面の使い分け
| 向いているもの | オンライン | 対面 |
|---|---|---|
| 初回の情報交換 | ◎ 気軽に設定できる | ○ |
| 資料を見ながらの説明 | ◎ 画面共有が便利 | ○ |
| 関係が深まっていない段階での重要な提案 | △ | ◎ 熱意が伝わりやすい |
| 現場を見ながらのヒアリング | △ | ◎ |
すべてをオンラインにする必要はありません。商談の段階に合わせて使い分けると、移動時間を減らしながら、信頼もつくれます。
チェックリスト
- 前日までに、日時・URL・当日の流れを案内したか
- カメラ・照明・音声・通知を確認したか
- 共有する資料のウィンドウだけを開いておいたか
- 最初に今日の流れを見せ、相手の希望を確認したか
- 5分に一度は、相手に話してもらったか
- トラブルのときの連絡手段を伝えておいたか
- 次のアクションと次回の日程を、その場で決めたか
まとめ
オンライン商談では、相手の反応が見えにくい分、こちらから確かめる工夫が必要です。前日の案内、最初の流れの説明、こまめな問いかけ、トラブルへの備え、そして次の予定をその場で決めること。この5つを意識するだけで、画面越しでも信頼される商談に近づきます。
